トータル・バランス・コンディショニング理論とは?

医学博士 公認スポーツドクター
安藤整形外科クリニック院長
日本トータル・バランス・コンディショニング協会顧問
安藤 邦彦

 トータル・バランス・コンディショニング理論は、“日常生活動作やスポツ活動への適応性の幅を広げること”“忘れてしまったり眠っている機能性を呼び覚ますこと”などによって個々に合わせた“身体バランスを調整する”エクササイズのことです。身体の左右・前後の対称性が損なわれてきた時、様々な悪影響が生じます。特に「筋バランスとアライメント」が偏ると身体は不調に陥りやすくなります(整形外科的な疾病など)。このような時に東部や体幹から手足の先端までのコンディショニングが有用です。筋バランスとアライメントは密接に関連しているので“頭の先からつま先まで”前進的な筋群の連動性改善が疾病の予防&改善に効果を発揮します。

 トータル・バランス・コンディショニング理論は、整形外科専門医・安藤邦彦医師の指導監修に基づいて、30余年のトレーナー活動とおよそ3000症例の検討によって開発しました。“筋バランスとアライメントの改善ならびにチューニング”によって、運動器不調の予防&改善(整形外科疾患など)、快適な日常生活動作の獲得、競技パフォーマンス向上を目指すことができる運動訓練プログラムなのです。残念ながら本邦の医療機関では患側に対する治療やリハビリテーションに対応しますが、健側に潜んでいる根源に関わるトラブルに対処することは困難です。トータル・バランス・コンディショニングの理論と手法は医療機関でのリハビリテーションと一般スポーツクラブでのトレーニングの中間に位置し下記のような特徴があります。

(1)整形外科専門医の指導監修によるコンディショニング法である
(2)仮定と検証によって、エクササイズの実効性を評価する
(3)全身的な筋群の連動性を“評価&改善”するための手法である
(4)柔軟性・筋力・感覚・連動性などの基本的な筋の機能性を評価改善する
(5)患者様やクライアントの自立とセルフコンィショニングが最終的な目的である

さらに、本手法は「運動・栄養・休養」など運動器の機能改善に対応した多くのフィットネス要素に良い影響を与えます。たとえば“腰痛解消に減量”“腸脛靱帯炎に安静と血行改善”などです。この理論と手法は2001年「月刊トレーニング・ジャーナル(ブックハウスHD)」連載、2003年「日本サッカー協会 第33回ドクターセミナー」にて発表し評価を賜りました。また、2004年「トータル・バランス・コンディショニング(山海堂)」、2006年「筋肉バランストレーニング(新星出版社)」「動いて良くなる腰痛(山海堂)」を上梓しています。

 スポーツのパフォーマンスを向上させるためのトレーニング方法は一つではありません。
皆様の「筋バランス」も千差万別です。また、最高のパフォーマンスを発揮できるような「ベスト・バランス」は「偏りの少なく許容範囲の広いニュートラルバランス」の中にあります。言い換えると、動きにくく動作が少ない、力の入らない動作が少ない、柔軟性にムラがない、このような時、バランスの許容範囲が広くバランスボール上でのスクワットなど自由度が広い状態となります。この反対に、筋バランスが悪いと全体のバランスが偏りやすく、不安定でパフォーマンスも安定しません。

 トータル・バランス・コンディショニング理論は、競輪、自転車ロードレース、陸上競技長短距離、駅伝ランナー、サッカー、ゴルフ、スキーなど、コンマ何秒を競うトップアスリートの実績に基づいています。

トータル・バランス・コンディショニング理論のスポーツへのチャレンジを、自動車メーカーの研究開発に例えると、競輪やスキーの回転は「F1」、箱根駅伝や自転車ロードレースは、耐久レースの「ル・マン」であると考えています。スポーツの極限状態でも、故障なく動く身体の「筋バランス」を追求することで得られる、貴重なノウハウによって検証・実践されアップデイトしています。

“膝部の整形外科的疾患を手術療法以外で改善したい”“膝部の痛みや違和感がなかなか軽快しない”“不定愁訴に悩んでいる”“積極的にバランスを良好にしたい”“お子様の姿勢が心配なご家族”“ウィークポイントを克服してアップグレードしたいアスリート”“プライドとプレッシャーと戦いながら日々切磋琢磨しクライアントの自立を支援したいトレーナー”“パーソナルトレーナーを目指す指導者”の皆様に少しでもお役に立つことを念願しております。

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